「忘れる」という能力は「覚える」以上に大切なものではないだろうか。
ネガティブな記憶をすべて覚えていたら、おそらく社会生活が成り立たない。
ただ、単純に「もの忘れ」は困ったもので、ときに致命傷になりかねない。
「その昔見たしし座流星群はすごかったよな」
「わたしは一緒に見た記憶ないんだけど」
なんて大火傷をしかねない。
web検索したところ、しし座流星群は2001年に過去最高だったとあった。
その当時は20歳なので、見たのは妻とは違う女性のような気がする。
ネット検索に命を救われた。
さて、妻もこのサイトを見ることがあるのでこの話題から離れよう。
先週に引き続き、うるぎ星の森オートキャンプ場に往訪した。
目的は流れ星の撮影だ。
カメラの調整中に偶然撮れた以下の1枚が今回の唯一の収穫。
「ここから先 キャンプ場は 有料です」の看板が邪魔でしかたない。
2018年11月13日がおうし座北流星群の極大らしいが、11月10日でも十分観望することができた。
1時間に10個は流れただろうか。
長女は生まれてはじめての流れ星をみて、何を感じたのだろうか。
流れ星の正体が大気圏に突入するただの塵と知るのは、まだ先になることだろう。
いまは、ふしぎ、きれい、と思ってもらえればそれだけでキャンプの価値がある。
11月10日は昼から天気も良く、写真撮影としては最高だったように思う。
ただ、風が強く、気温10℃を下回っていたのでかなり寒く感じた。
夜には風がおさまるのと引きかえに氷点下近くまで冷え込んだ。
空気が澄み、普段の生活ではみたこともない星々が顔をのぞく。
カメラはマニュアルモード一択。
最終的に設定は露光時間25秒、ISO3200、絞りf/3.5に落ち着いた。
カメラのモニターをみて、あ!と思ったら飛行機でぬか喜びすることもしばしば。
真上をみると満天の星。
星座なんて女性を口説くためにロマンチストが考えたものだろう、と流星群を見にいった若かりし頃はそう思っていた。
実際には生活に根付くもので、季節、方角など天文学に通じる重要なものだったのだろう。
夕飯は、妻のやきとりが食べたい、という要望からBBQ。
ただ、焼いているのはテント外で作業する自身一人だけ。
寒い、とみなさんおっしゃった。
テント内はフジカハイペット1台で暖がとれた。
シュナーベル5のような小型の2ルームであれば、外気温5℃だったらフジカハイペットだけで十分だ。
深夜1時、もやが出始めて撮影終了。
広場サイト(フリーサイト)はサニタリーの電灯の影響が他のサイトよりも小さいが、それでももやに乱反射してしまった。
前日から流星をみることが楽しみすぎてなかなか寝付けなかったため、眠くてしかたない。
その昔は身近に感じていた星が、現代では遠い存在になっている。
天体観察(日本語としては観察は間違い)は人類史に極めて重要な情報を与えた行為かと思われる。
子どもたちにそれを直に感じとってもらえてよかったと思えるキャンプだった。
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